自信を持つということ〜100g雑感〜
女「私って悪い子(´・_・`)」
る「そんなことないよ。」
る「彼氏にはナイショだけどね!」
女「絶対に言えないw」
慌てて服を着ながら、ケータイを見る。
ボッキーと女の子はどうなっただろうか。
女「相方子ちゃんと別で帰ることになりそう。」
る「そうなの?とりあえず送るよ。」
ホテルを出るとすぐにタクシーに乗り込む。
雨に濡れた窓には、歓楽街のネオンが乱反射する。
(ふぅ、、、)
(やっと終わった。)
少し疲労感と達成感、滲むような安堵感に包まれながら、天井を見上げる。
(100g達成だ。)
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12月某日
僕はSの街を歩いていた。
ようやく"らしくなってきた"冷たい空気晒されながら、街の中心部へと向かう。
本日現在、2018年のゲット数は99。今日即れば、3桁ゲットになる。
僕のとっての100gは特別だ。ブログ、Twitterで見てきた凄腕達の称号であり、何より目標にしてきた数字でもある。
箱に入り、コートを預けると今夜の相方と言葉を交わす。
る「今日はよろしくな。」
ボ「絶対即らせますよ!」
彼とはもう1年以上の付き合いになる。福岡合同遠征では完璧な乱を成功させたし、味噌頂上決戦では敵として戦った。
タイプは全然違うけど、お互いの欠点を保管し合うのか、彼とのコンビは相性がいい。
まずは軽くお酒を飲んで、タバコに火をつける。女の子には見向きもしない。あれほど苦手だった箱でのナンパも経験を重ねるうちに上手くなってきた。音楽を覚えたことの影響が大きいようで、好きな曲が流れればテンションが上がる。
個人的なクラナンのコツは"雑にやること"。ストとは違って会話なんて成立しないし、見た目や振る舞いが重要になってくる。丁寧な声掛けは、箱ではノれていない人と思われてしまうようだ。
お酒を飲み干して、3本目のタバコを吸い終わった頃、ボッキーが女の子に声をかけた。何やら話しているようだが、声は重低音にかき消される。よくわからないけど、とりあえず相手に笑顔を向けてみる。
女の子は、すっとテーブルから離れると、入口近くにいた女の子を連れてきた。どうやら2人で来ているみたいだ。
連れてこられた女の子と話してみる。
反応は上々、、、とまでは言えないけれど、十分にオープンしている。
今年九州から出てきた2人組。担当子は、素材は良いが、まだまだ垢抜けない雰囲気だ。
数分話しただろうか、4人でソファに移動する。さぁ、ゲームの始まりだ。
彼女はたくさん自分の話をしてくれた。
地元を離れた不安感。うまくいかない遠距離の彼氏。最近楽しくなったクラブ遊び。
あっという間に時間が流れる。22時半を回っただろうか。一旦トイレに行く。
ボ「そっちの子仕上がってるw」
どうやら席を立った間に状況を確認してくれていたようだ。
る「おけ。笑」
特にクロージングはかけてないし、下トークやボディタッチはしていない。僕はあまり露骨な仕上げトークはしないタイプだ。女の子の反応としぐさで、判断をつけていく。
特に気をつけて観察するのは、
①体の向き
②距離感
自分に興味を待ってくれている時は、こちらを向くし、距離が近い。
逆にトークの内容は当てにならないことも多い。会話が上手い子や性格が明るい子は、時に残酷なくらいポジティブは反応を見せてくる。
好意とは無関係に。
それから、最近よく使うスクリーニングとして、「小さなお願いをしてみる」というのがある。
ちょっと〇〇持って。
その〇〇見せて。
その飲み物一口ちょうだい。
このK-pop踊ってみてよ。
こんな何気ないお願いが、後の"大きなお願い"への布石になる。
今回はというと、、、、
まだ、わかっていなかった。笑
会話が盛り上がったからか、即への心理的な導線作りを忘れていた。
(相方子はどうだろう?)
(仕上がっているのだろうか?)
(ボッキーなら上手くやるだろうな、、、)
席に戻ると状況はすぐに動く。
既にボッキーが打診を通している。後はきっちりセパるだけ。
箱を出てすぐにタクシーを拾う。女の子は少し戸惑いを見せているけど、考える時間を与えるな。
ボ「俺らデートしてくるわ。」
る「おーけー。合流はここでええか?」
る「終電の時間には戻ろう。」
鮮やかなセパが通る。2人きりになると突然甘え始める担当子を見て、勝利を確信した。
(その後、ボッキーは相方子をきっちり仕上げてコンビ即。)
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100gの意味とは?
昔と違って、今、その価値は曖昧だ。情報が容易に得られるようになり、ナンパのハードルは大きく下がった。200gを上回るナンパ師が出現し、100g超えも大きく増えた。
そもそも数に価値を見出さない人が増えたし、質やQOLが叫ばれるなか、時間と労力を大量に投入して、得られるのが"ナンパ師として名誉"程度。世間的には無価値だし、人に言えるような話でもない。
100gすると宣言したときには、某大御所から「意味がない。何も変わらない。」と言われた。
それでも僕には意味があった。
"自分で設定した100という目標を達成したこと"
は何にも代えられない自信になった。99でも98でも10だっていい。自ら目標を定めて、乗り越える。このプロセスに意味がある。
そのことは理解していても、2018年の後半、僕のモチベーションは大幅に落ちた。
「繰り返す即に、何の意味があるの?」
有名ブログのフレーズが何度も頭をよぎる。
そもそも言えば、本来のナンパの目的すら既に失っていた。
それでも僕には意味があった。
ナンパとは、様々な手段を使って女の子にアプローチをかけることと言える。
では、ナンパ師として活動することの意味は何か。
僕は、
「情熱がある仲間と切磋琢磨しながら、男としての自信をつけること。」
だと思っている。
僕は自分に自信を持つことに根拠を求めてしまう人間だ。
世の中にはなぜか元から自信満々の人がいるけど、僕にはそれができない。
時にはったりでも、慢心でも、自信を持って取り組めば上手くいくことがあるし、そもそも自信があるかないかなんて、自分の中の感覚でしかない。
元から自信がある人を羨ましく思うこともたくさんあった。
だからこそ、僕には意味があった。
この100という数字を経て、僕は
"ナンパができる"
"その辺のやつよりは確実にモテる"
そんな少しダサい感覚を得ることができた。
きっと次のアポでも、その次の打診でも、強い一歩を踏み出せるだろうし、
きっと、未来の彼女の前でも、堂々と男らしく振舞えるだろう。
なぜなら、俺は100gを達成したから。
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女「私って悪い子(´・_・`)」
る「そんなことないよ。」
る「彼氏にはナイショだけどね!」
女「絶対に言えないw」
慌てて服を着ながら、ケータイを見る。
ボッキーと女の子はどうなっただろうか。
女「相方子ちゃんと別で帰ることになりそう。」
る「そうなの?とりあえず送るよ。」
ホテルを出るとすぐにタクシーに乗り込む。
雨に濡れた窓には、歓楽街のネオンが乱反射する。
(ふぅ、、、)
(やっと終わった。)
少し疲労感と達成感、滲むような安堵感に包まれながら、天井を見上げる。
(100g達成だ。)
彼女がタクシーを降りる。
る「気につけて帰るんだよ。」
女「うん。ありがとう(*^^*)」
急ぎ足で駅に向かう彼女の後ろ姿に、お別れを告げて、1人傘をさして歩く。
妙に高まった気分が落ち着かない。
12月の深夜なのに、寒さすら可愛く思える。
帰り道、ふと見つけた小料理屋に入って、こっそり祝杯をあげる。誰も知らない1人だけの祝勝会だ。
(みんなありがとう。)
(やっとここまで来れたよ。)
少し高級な日本酒を飲みきるとお店を出る。
明日は仕事だ。
傘がいらなくなった寒空の下を歩く。
冬の夜は長いけど、もっと長くなって、そのまま夜が終わらなければいいのに。
end