20gに必要なもの 後編
ど「やれやれ。」
る「え?」
あ「これだからスト低はwww」
D「話おもんなすぎたんやろw」
あ「行くぞ。勝負は終わってない。」
目の前には思いがけない光景が広がっていた。味噌の国、ストメインのオールラウンダーチーム「チャップ会」。このメンバーとは、何度も同じ時間を共有してきた。味噌に来て1年。チャップ会で過ごした時間は、他の誰と過ごすより楽しかったし、間違いなく濃密だった。
しかし、ここにいるはずはない。仕事が忙しい彼らが、平日の23時過ぎに揃うことは、これまで一度もなかった。
ど「ここから逆転するぞ!!」
メンバー紹介
アナル✳︎チャップス(あ)
チャップ会の大将。Sストツートップの一人。
どん(ど)
チャップ会の王子様。Sストツートップの一人。
Dの意思(D)
チャップ会の特攻隊長。2017年味噌国の実質新人王。
るんるん(る)
3人に促されるように街へ向かう。
(さぁ、行こう。)
(ここからが本当の戦いだ!)
赤in!
まずは、お酒を飲みつつ、場の雰囲気をなじませる。アポ負けで落ちたメンタルを箱の楽しいムードに合わせていく。
(よし。いけるぞ。)
そう思った時、既にこの男が動いていた。
Dの意志
味噌の人気者であり、新しいスター候補。たまに嫉妬するくらい輪の中心にいる男だ。
イッポングランプリでコンビ即を決めたし、第1回ASD(アナソウルダービー)の優勝も彼と分かち合った。
でも、彼はこの春、引退を決めた。
そこには色々な思いがあるだろうし、やむ終えない事情もあるはずだ。
この時、
(こいつとコンビを組める機会はあとどれくらいあるのかな?)
そんなことを考えていた。
D「怖い話しようぜ?」
当たり前のようにオープンした。
(癖強いやつきたよ。笑)
(相変わらずおもろい展開をつくりやがる。)
2:2で赤2階後方のテーブルに向かう。シュール過ぎる怖い話を聞きながら、その場の雰囲気を楽しんだ。
1杯お酒を飲み終えて、放流。食いつきを上げることができなかった。入りが良かっただけに、悔しさが残る。
再び3階に上がって、どん兄、アナチャさんと合流し、少し話をする。DJブースに向かいつつサージングをすると、2人組の女の子が通りかかる。
目があった気がしたので、すかさず声かけ。
る「あれ?前髪切った?」
すぐにどん君がフォローに入る。どうやら、既に声をかけた2人組のようだ。
ズカズカ進む相方子&どん君と、ビタ止めされる担当子(以下「ビタ子」という。)。自動的に箱内セパの完成だ。
る「とりあえず飲もっか(^ ^)」
2階のバーカンで飲み物を買う。
話を聞くと、二人は友人だが、それぞれ別グループで来ており、たまたま箱で会ったようだ。
(これはチャンスや。明らかにセパりやすい。)
グラスを傾けつつ、和む。
ビ「なんか落ち着いてるね。」
ビタ子は不思議がった。このセリフを箱で言われると「つまらない。」と言われているような気がして不安になる。
けど、そうではないらしい。同年代の箱にいる男と比べて、落ち着いて見えたという。
る「違うよ?落ち込んでるんだ。笑」
本当だけど嘘。そんな発言をしてみる。
ビ「なんで?何かあったの?」
る「目標に届かないかもしれないんだ。」
ビ「お仕事?」
る「まぁ、そんなとこ。笑」
適当にはぐらかしつつ、話を聞く。
味噌出身の学生。箱はたまに来る、洋楽好きの女の子。
ある程度和んだところで、箱の終了30分前になる。一旦、3人と合流するため、番ゲして放流する。
(食いつきはどうだろう?)
(悪くはないけど、、、、)
3人と合流する。
あなちゃさん、どん君はそろそろ時間のようだ。
あ「るんるん。ほんと期待してる。」
ど「頑張れよ。」
ありがとう。去り際の2人の姿がカッコ良くて、思わず見とれてしまった。
Sスト勢はここ1年で急速に盛り上がり始めたが、それは2人のおかげだろう。周囲を巻き込んでイベントをやったり、積極的に新人と合流する。地道だし、時間がかかるし、何より身バレを気にすれば簡単にできることじゃない。
そんなSストの兄貴分二人からの言葉は、心強かった。
2人を見送った直後、顔が刺さって、番ゲ。(以下「刺子」という。)都合が良いことに、赤終了後所用があるが、その後朝まで遊ぶらしい。
刺「後で飲もう٩(๑❛ᴗ❛๑)۶」
この時点で今夜の動きが確定する。
①1人目のブーメランを狙いつつ、赤GT
②2人目のブーメランを狙いつつ、青
明日は仕事だけど、この際関係ない。朝まで戦ってやる。
数分後
予想以上に上手く事が進んだ。ビタ子のブーメランが、決まったのだ。
D「お前ならいけるよ。」
D「俺はその辺で待機しとくから、厳しそうならすぐに言ってくれ。」
Dの意志が女の子の元へ向かう僕を送り出す。自分は即る気なんて全くないくせに快く助けに来てくれた。
(絶対に勝ってくるよ。)
コンビニ前でビタ子と合流する。雨が強いことを口実に、コーヒールーティーンで鷲inへ。特段グダもなく、綺麗な流れだ。
ビタ子は箱内よりよく話した。自分のこと、家族のこと、元彼のこと。思い出すように話す彼女は、なんとなく楽しそうに見えた。
コーヒーを飲み終えて、数分しただろうか。一気にギアを上げる。
本日、2度目の俳優ルーティーン。
(言葉に魂を込めろ!!)
ビ「でもぉ。」
る「でも何?笑」
ビ「恥ずかしい。」
その後、彼女はしばらくグダったけれども、30分後には服を脱いでいた。
即。
すぐさまチャップ会のLINEグループを見ると、3人とも起きて、結果を待ってくれていた。ありがとう。本当にありがとう。
ついに、、、、、、大台の20gを達成した。
20gに必要なもの。
それは、ナンパの技術やマインドではない。ましてや、スト値や身長ではけっしてない。
20gに必要なもの。
それは、いつも支えてくれる仲間達だった。
黒子さん6
アナチャさん4
小五郎2
どん君2
御堂筋くぅん1
コーラsさん1
中年さん1
翼くん1
とくい君&WAL君1
みんな本当に感謝しています。完ソロは金沢の1即だけです。
ビタ子を送った後、一人で部屋に戻る。相変わらずの雨で、お気に入りのスーツが濡れていく。
それでも、心は晴れやかだ。
る「あぁ、素敵な夜だったな。」
end