夏の終わりとアポとアポ

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この日、僕は相変わらずSの街に立っていた。

日が沈み、夜が姿を見せるが、目だけ爛々とは輝いている。

 

 

そう。今日はアポがあるからだ。

 

 

今夜の相手は、ナイトプールで知り合った女の子。つまり、負けが許されない戦いということだろうか、、、

自信とは裏腹に少し緊張感が走る。

 

 

(アムさんのためにも負けられないなー。)

 

 

そんなことを考えているうちに、地下鉄の出口から女の子が見え始める。

 

 

(さぁ、いこうか。)

 

 

聞いておいた服装と一致していることを確認し、迷いなく近づく。そして、ドヤ顔で言い放ってみせる。"事前に考えておいたセリフ"を。

 

る「今日は水着じゃないんだね(*´ω`*)」

 

基本的に会話の流れは考えているけど、セリフを仕込んでいるのは、この場面だけ。当たり前だけど、最初の印象は重要だ。

 

女「当たり前でしょー(*≧∀≦*)」

 

女「あれは普段着じゃありません!笑」

 

概ね予想通りの反応を引き出したことに満足しつつ、予約した店に足を進める。ここでの会話は常に軽く、楽しく、テンション高めに。

改めて言うまでも無いが、お店は当然るんルームへの導線上にある。

 

 

最寄り駅→お店→即る場所

 

 

この3箇所の面積が狭いほど良い。みんな知ってるベッドイントライアングルってやつだ。

 

 

 

 

 

 

席に着き、お互い一杯目の飲み物を頼むと、少しだけ褒めてみる。ここでの反応は、打診に向けての指標になる。

 

る「可愛い声してるよね(^^)」

(今回の子は特徴的なアニメ声)

 

女「なにそれ(๑˃̵ᴗ˂̵)!笑」

 

女「顔は可愛くないみたいじゃん!!」

 

照れる系、逆に褒めてくる系の反応ならまずまず。今回は良い反応と言えるだろうか。

 

 

アポの前半に意識することは、警戒心の有無。

警戒心が強い場合は、自己開示しつつ話を聞くし、あまり強くない場合は、早い段階で相手に話をさせる。

 

 

会話のきっかけには、いわゆる"決めつけトーク"を多用する。事前に2-3個相手のイメージを思い浮かべておくと、スムーズに進められる。

(当日もいくつか思いつくから。)

 

 

今回は警戒心弱め。

(というか、番ゲした時にある程度和んでいる。)

 

 

る「この前より髪の毛明るくなったね。染めたの?」

 

女「そうなのー。ちょっとやりすぎたかな(>_<)?」

 

る「でも、似合ってるよ?笑」

 

女「ありがとう(^^)」

 

女「でも、なんか笑ってる(*_*)」

 

る「いやー。笑」

 

る「元ヤンは明るい髪似合うなって。笑」

 

女「違いますーー( *`ω´)」

 

"決めつけトーク"のコツは、

①急に話題を変えずに連ねていく

②ネグ系の後は褒める系を

③相手の反応を見つつ、話したそうな話題を深掘りする

 

る「高校時代、机にデカい鏡おいて化粧し始めるタイプやろwwww」

 

女「そんなことありません!!」

 

る「でも、ヤンキーっておばあちゃんには優しいよな。おばあちゃんっ子やろ?」

 

女「それは当たってる(*^^*)笑」

 

る「やっぱりw根はいい子なんだよな。」

 

女「元からいい子です(//∇//)」

 

る「自分で言うやつwwwww」

 

今回の決めつけは、

髪の毛明るい→ヤンキー→おばあちゃん子

という連想。(この連想が正確であるか、おもしろいかはどうでもいい。)

 

 

そして会話の間には、

「髪色が似合っている」

「家族(ばあちゃん)を大切にする」

という二つの褒めポイントと、

「ヤンキーっぽい」

「自分のこと良い子とか言っちゃう」

という二つのネグを挟み込んでいる。

 

 

こんな調子で、事前に考えたイメージ、当日に感じたイメージを投げかけていく。

心理的な距離を縮めつつ、相手の話したい話題を見つけることができれば、良い和みになる。

注文は出来る限り回数を減らすと良いだろう。重要なトーク中に食べ物を持って来られると、核心に迫りきれなかったり、テンポが悪くなってしまう。

 

 

 

 

 

 

順調に仕事トークを消化した後、恋愛トークに移る。相手の恋愛遍歴を語ってもらう。

 

る「話を聞いてると、割と尽くすタイプっぽいよねー。」

 

女「そうかな?笑」

 

る「ってことは、色々してあげたけど、上手くいかなかったんだ?」

 

女「、、、うん。」

 

"尽くすタイプ"は完全に負のキーワード。「尽くしたのに」、「尽くしたけど」、毎度のようにマイナスの文脈で使われる。

これは理論と言うより経験則に近い代物だが、尽くした相手に報われている女性はナンパには着いてこないのだろう。

 

 

彼女の口から溢れ出るように同棲していた元カレの話が出てきた。

ただ、この子はメンヘラではない。どちらかと言うと、元カレが束縛したがるメンヘラ男だったようだ。

 

る「そうだったんだね、、、。」

 

話を聞きつつ、既に頼んでおいた会計を済ませる。核心に迫る会話が出始めたら、次のステップに進む合図だ。この会話以上に深い和みはそう簡単にできやしない。

 

 

 

 

 

 

店を出て、階段を利用して手をつなぐ。

 

る「ほれ。」(手を差し出す)

 

ハンドテストはノーグダ。

 

る「もう少し一緒にいて大丈夫?」

 

女「うん(๑>◡<๑)」

 

この2つはいつものルーティーン。

有名なハンドテストに加えて、この後も一緒にいることを確認をする。

時間グダを事前に潰すと同時に、1軒目のお店でのやり取りを踏まえた上で、この後を一緒に過ごすことの承認を得る。食いつきがない場合、この時点で「明日早い。」、「どこへ行くの?」といった反応が出ることが多い。

 

 

今回はこの時点で食いつき充分と判断。歩いている時の距離感も近い。

 

 

(よし。このまま搬送しよう。)

 

 

特に行き先を告げずにるんルームに向かっていく。

途中コンビニに寄って、アイスを買う。アイスルーティーンとパーカー理論を同時に成立させて、即への道筋を固めていく。

 

 

(さて。打診は通るかなー?)

 

 

る「ほら。着いたよー(^ ^)」

 

女「ええー(*_*)なんか豪華!!」

 

 

(これは珍しい反応。笑)

 

 

大概は戸惑う系もしくは拒否系。拒否されたとしても、慌てずに改めて打診すれば問題ない。

どうやら歩きながら、察していたようだ。その上でついてきたのだから、この時点でほぼ準即が確定する。

 

 

部屋に着くと、飲み物を出しつつ、2人でアイスを食べて、当たり前のように行為に及んだ。

 

 

 

 

 

 

即。

 

 

 

 

 

 

(アムさん。これでナイトプール案件2g目です。)

 

 

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僕はアポが好きだ。

クラスタでは、アポを組まない人が多いし、あまり好きでないという人も多い。

 

 

でも。僕はナンパで"理想の彼女を探すこと"を目的としているので、アポは極めて重要だ。

"即"だと興味を無くすし、本当に良い女は中々即れない。

 

 

そうでなくても、友人、家族、仕事、ライフスタイル、価値観、、、

そんな話を聞いて、少し他人の人生に想いを馳せてみる。当然だけど、そこには自分とは全く異なる世界が広がっている。

 

 

そんな時間の過ごし方も、、、

 

 

悪くないと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

夏が終わって、夜には秋の涼しさが顔を出す。

2人歩く足跡には、大きな影ができる。

 

 

合流した駅と同じ駅。

楽しそうな雰囲気は今も続いている。

 

る「次は水着で来てな!!」

 

女「バカぁ!!笑」

 

 

end