自信を持つということ〜100g雑感〜

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女「私って悪い子(´・_・`)」

 

る「そんなことないよ。」

る「彼氏にはナイショだけどね!」

 

女「絶対に言えないw」

 

慌てて服を着ながら、ケータイを見る。

ボッキーと女の子はどうなっただろうか。

 

女「相方子ちゃんと別で帰ることになりそう。」

 

る「そうなの?とりあえず送るよ。」

 

ホテルを出るとすぐにタクシーに乗り込む。

雨に濡れた窓には、歓楽街のネオンが乱反射する。

 

 

(ふぅ、、、)

 

 

(やっと終わった。)

 

 

少し疲労感と達成感、滲むような安堵感に包まれながら、天井を見上げる。

 

 

(100g達成だ。)

 

 

 

 

 

 

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-

 

 

 

 

 

 

12月某日

 

 

僕はSの街を歩いていた。

 

 

ようやく"らしくなってきた"冷たい空気晒されながら、街の中心部へと向かう。

本日現在、2018年のゲット数は99。今日即れば、3桁ゲットになる。

 

 

僕のとっての100gは特別だ。ブログ、Twitterで見てきた凄腕達の称号であり、何より目標にしてきた数字でもある。

 

 

箱に入り、コートを預けると今夜の相方と言葉を交わす。

 

る「今日はよろしくな。」

 

ボ「絶対即らせますよ!」

 

彼とはもう1年以上の付き合いになる。福岡合同遠征では完璧な乱を成功させたし、味噌頂上決戦では敵として戦った。

タイプは全然違うけど、お互いの欠点を保管し合うのか、彼とのコンビは相性がいい。

 

 

まずは軽くお酒を飲んで、タバコに火をつける。女の子には見向きもしない。あれほど苦手だった箱でのナンパも経験を重ねるうちに上手くなってきた。音楽を覚えたことの影響が大きいようで、好きな曲が流れればテンションが上がる。

 

 

個人的なクラナンのコツは"雑にやること"。ストとは違って会話なんて成立しないし、見た目や振る舞いが重要になってくる。丁寧な声掛けは、箱ではノれていない人と思われてしまうようだ。

 

 

お酒を飲み干して、3本目のタバコを吸い終わった頃、ボッキーが女の子に声をかけた。何やら話しているようだが、声は重低音にかき消される。よくわからないけど、とりあえず相手に笑顔を向けてみる。

 

 

女の子は、すっとテーブルから離れると、入口近くにいた女の子を連れてきた。どうやら2人で来ているみたいだ。

 

 

連れてこられた女の子と話してみる。

反応は上々、、、とまでは言えないけれど、十分にオープンしている。

 

 

今年九州から出てきた2人組。担当子は、素材は良いが、まだまだ垢抜けない雰囲気だ。

数分話しただろうか、4人でソファに移動する。さぁ、ゲームの始まりだ。

 

 

彼女はたくさん自分の話をしてくれた。

地元を離れた不安感。うまくいかない遠距離の彼氏。最近楽しくなったクラブ遊び。

あっという間に時間が流れる。22時半を回っただろうか。一旦トイレに行く。

 

 

 

 

 

 

ボ「そっちの子仕上がってるw」

 

どうやら席を立った間に状況を確認してくれていたようだ。

 

る「おけ。笑」

 

特にクロージングはかけてないし、下トークやボディタッチはしていない。僕はあまり露骨な仕上げトークはしないタイプだ。女の子の反応としぐさで、判断をつけていく。

 

 

特に気をつけて観察するのは、

 

 

①体の向き

②距離感

 

 

自分に興味を待ってくれている時は、こちらを向くし、距離が近い。

 

 

逆にトークの内容は当てにならないことも多い。会話が上手い子や性格が明るい子は、時に残酷なくらいポジティブは反応を見せてくる。

好意とは無関係に。

 

 

それから、最近よく使うスクリーニングとして、「小さなお願いをしてみる」というのがある。

 

 

ちょっと〇〇持って。

その〇〇見せて。

その飲み物一口ちょうだい。

このK-pop踊ってみてよ。

 

 

こんな何気ないお願いが、後の"大きなお願い"への布石になる。

 

 

 

今回はというと、、、、

 

 

 

 

 

 

まだ、わかっていなかった。笑

 

 

会話が盛り上がったからか、即への心理的な導線作りを忘れていた。

 

 

(相方子はどうだろう?)

 

 

(仕上がっているのだろうか?)

 

 

(ボッキーなら上手くやるだろうな、、、)

 

 

席に戻ると状況はすぐに動く。

既にボッキーが打診を通している。後はきっちりセパるだけ。

 

 

 

 

 

 

箱を出てすぐにタクシーを拾う。女の子は少し戸惑いを見せているけど、考える時間を与えるな。

 

ボ「俺らデートしてくるわ。」

 

る「おーけー。合流はここでええか?」

る「終電の時間には戻ろう。」

 

鮮やかなセパが通る。2人きりになると突然甘え始める担当子を見て、勝利を確信した。

 

 

(その後、ボッキーは相方子をきっちり仕上げてコンビ即。)

 

 

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100gの意味とは?

 

 

 

 

 

 

昔と違って、今、その価値は曖昧だ。情報が容易に得られるようになり、ナンパのハードルは大きく下がった。200gを上回るナンパ師が出現し、100g超えも大きく増えた。

 

 

そもそも数に価値を見出さない人が増えたし、質やQOLが叫ばれるなか、時間と労力を大量に投入して、得られるのが"ナンパ師として名誉"程度。世間的には無価値だし、人に言えるような話でもない。

 

 

100gすると宣言したときには、某大御所から「意味がない。何も変わらない。」と言われた。

 

 

 

 

 

 

それでも僕には意味があった。

 

 

"自分で設定した100という目標を達成したこと"

は何にも代えられない自信になった。99でも98でも10だっていい。自ら目標を定めて、乗り越える。このプロセスに意味がある。

 

 

そのことは理解していても、2018年の後半、僕のモチベーションは大幅に落ちた。

 

 

「繰り返す即に、何の意味があるの?」

 

 

有名ブログのフレーズが何度も頭をよぎる。

そもそも言えば、本来のナンパの目的すら既に失っていた。

 

 

 

 

 

 

それでも僕には意味があった。

 

 

ナンパとは、様々な手段を使って女の子にアプローチをかけることと言える。

では、ナンパ師として活動することの意味は何か。

僕は、

 

 

「情熱がある仲間と切磋琢磨しながら、男としての自信をつけること。」

だと思っている。

 

 

僕は自分に自信を持つことに根拠を求めてしまう人間だ。

 

 

世の中にはなぜか元から自信満々の人がいるけど、僕にはそれができない。

 

 

時にはったりでも、慢心でも、自信を持って取り組めば上手くいくことがあるし、そもそも自信があるかないかなんて、自分の中の感覚でしかない。

 

 

元から自信がある人を羨ましく思うこともたくさんあった。

 

 

 

 

 

 

だからこそ、僕には意味があった。

 

 

この100という数字を経て、僕は

"ナンパができる"

"その辺のやつよりは確実にモテる"

そんな少しダサい感覚を得ることができた。

 

 

きっと次のアポでも、その次の打診でも、強い一歩を踏み出せるだろうし、

 

 

きっと、未来の彼女の前でも、堂々と男らしく振舞えるだろう。

 

 

なぜなら、俺は100gを達成したから。

 

 

 

 

 

 

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女「私って悪い子(´・_・`)」

 

る「そんなことないよ。」

る「彼氏にはナイショだけどね!」

 

女「絶対に言えないw」

 

慌てて服を着ながら、ケータイを見る。

ボッキーと女の子はどうなっただろうか。

 

女「相方子ちゃんと別で帰ることになりそう。」

 

る「そうなの?とりあえず送るよ。」

 

ホテルを出るとすぐにタクシーに乗り込む。

雨に濡れた窓には、歓楽街のネオンが乱反射する。

 

 

(ふぅ、、、)

 

 

(やっと終わった。)

 

 

少し疲労感と達成感、滲むような安堵感に包まれながら、天井を見上げる。

 

 

(100g達成だ。)

 

 

彼女がタクシーを降りる。

 

る「気につけて帰るんだよ。」

 

女「うん。ありがとう(*^^*)」

 

 

 

 

 

 

急ぎ足で駅に向かう彼女の後ろ姿に、お別れを告げて、1人傘をさして歩く。

 

 

妙に高まった気分が落ち着かない。

12月の深夜なのに、寒さすら可愛く思える。

 

 

帰り道、ふと見つけた小料理屋に入って、こっそり祝杯をあげる。誰も知らない1人だけの祝勝会だ。

 

 

(みんなありがとう。)

 

 

(やっとここまで来れたよ。)

 

 

少し高級な日本酒を飲みきるとお店を出る。

明日は仕事だ。

 

 

傘がいらなくなった寒空の下を歩く。

冬の夜は長いけど、もっと長くなって、そのまま夜が終わらなければいいのに。

 

 

 

 

 

 

end

夏の終わりとアポとアポ

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この日、僕は相変わらずSの街に立っていた。

日が沈み、夜が姿を見せるが、目だけ爛々とは輝いている。

 

 

そう。今日はアポがあるからだ。

 

 

今夜の相手は、ナイトプールで知り合った女の子。つまり、負けが許されない戦いということだろうか、、、

自信とは裏腹に少し緊張感が走る。

 

 

(アムさんのためにも負けられないなー。)

 

 

そんなことを考えているうちに、地下鉄の出口から女の子が見え始める。

 

 

(さぁ、いこうか。)

 

 

聞いておいた服装と一致していることを確認し、迷いなく近づく。そして、ドヤ顔で言い放ってみせる。"事前に考えておいたセリフ"を。

 

る「今日は水着じゃないんだね(*´ω`*)」

 

基本的に会話の流れは考えているけど、セリフを仕込んでいるのは、この場面だけ。当たり前だけど、最初の印象は重要だ。

 

女「当たり前でしょー(*≧∀≦*)」

 

女「あれは普段着じゃありません!笑」

 

概ね予想通りの反応を引き出したことに満足しつつ、予約した店に足を進める。ここでの会話は常に軽く、楽しく、テンション高めに。

改めて言うまでも無いが、お店は当然るんルームへの導線上にある。

 

 

最寄り駅→お店→即る場所

 

 

この3箇所の面積が狭いほど良い。みんな知ってるベッドイントライアングルってやつだ。

 

 

 

 

 

 

席に着き、お互い一杯目の飲み物を頼むと、少しだけ褒めてみる。ここでの反応は、打診に向けての指標になる。

 

る「可愛い声してるよね(^^)」

(今回の子は特徴的なアニメ声)

 

女「なにそれ(๑˃̵ᴗ˂̵)!笑」

 

女「顔は可愛くないみたいじゃん!!」

 

照れる系、逆に褒めてくる系の反応ならまずまず。今回は良い反応と言えるだろうか。

 

 

アポの前半に意識することは、警戒心の有無。

警戒心が強い場合は、自己開示しつつ話を聞くし、あまり強くない場合は、早い段階で相手に話をさせる。

 

 

会話のきっかけには、いわゆる"決めつけトーク"を多用する。事前に2-3個相手のイメージを思い浮かべておくと、スムーズに進められる。

(当日もいくつか思いつくから。)

 

 

今回は警戒心弱め。

(というか、番ゲした時にある程度和んでいる。)

 

 

る「この前より髪の毛明るくなったね。染めたの?」

 

女「そうなのー。ちょっとやりすぎたかな(>_<)?」

 

る「でも、似合ってるよ?笑」

 

女「ありがとう(^^)」

 

女「でも、なんか笑ってる(*_*)」

 

る「いやー。笑」

 

る「元ヤンは明るい髪似合うなって。笑」

 

女「違いますーー( *`ω´)」

 

"決めつけトーク"のコツは、

①急に話題を変えずに連ねていく

②ネグ系の後は褒める系を

③相手の反応を見つつ、話したそうな話題を深掘りする

 

る「高校時代、机にデカい鏡おいて化粧し始めるタイプやろwwww」

 

女「そんなことありません!!」

 

る「でも、ヤンキーっておばあちゃんには優しいよな。おばあちゃんっ子やろ?」

 

女「それは当たってる(*^^*)笑」

 

る「やっぱりw根はいい子なんだよな。」

 

女「元からいい子です(//∇//)」

 

る「自分で言うやつwwwww」

 

今回の決めつけは、

髪の毛明るい→ヤンキー→おばあちゃん子

という連想。(この連想が正確であるか、おもしろいかはどうでもいい。)

 

 

そして会話の間には、

「髪色が似合っている」

「家族(ばあちゃん)を大切にする」

という二つの褒めポイントと、

「ヤンキーっぽい」

「自分のこと良い子とか言っちゃう」

という二つのネグを挟み込んでいる。

 

 

こんな調子で、事前に考えたイメージ、当日に感じたイメージを投げかけていく。

心理的な距離を縮めつつ、相手の話したい話題を見つけることができれば、良い和みになる。

注文は出来る限り回数を減らすと良いだろう。重要なトーク中に食べ物を持って来られると、核心に迫りきれなかったり、テンポが悪くなってしまう。

 

 

 

 

 

 

順調に仕事トークを消化した後、恋愛トークに移る。相手の恋愛遍歴を語ってもらう。

 

る「話を聞いてると、割と尽くすタイプっぽいよねー。」

 

女「そうかな?笑」

 

る「ってことは、色々してあげたけど、上手くいかなかったんだ?」

 

女「、、、うん。」

 

"尽くすタイプ"は完全に負のキーワード。「尽くしたのに」、「尽くしたけど」、毎度のようにマイナスの文脈で使われる。

これは理論と言うより経験則に近い代物だが、尽くした相手に報われている女性はナンパには着いてこないのだろう。

 

 

彼女の口から溢れ出るように同棲していた元カレの話が出てきた。

ただ、この子はメンヘラではない。どちらかと言うと、元カレが束縛したがるメンヘラ男だったようだ。

 

る「そうだったんだね、、、。」

 

話を聞きつつ、既に頼んでおいた会計を済ませる。核心に迫る会話が出始めたら、次のステップに進む合図だ。この会話以上に深い和みはそう簡単にできやしない。

 

 

 

 

 

 

店を出て、階段を利用して手をつなぐ。

 

る「ほれ。」(手を差し出す)

 

ハンドテストはノーグダ。

 

る「もう少し一緒にいて大丈夫?」

 

女「うん(๑>◡<๑)」

 

この2つはいつものルーティーン。

有名なハンドテストに加えて、この後も一緒にいることを確認をする。

時間グダを事前に潰すと同時に、1軒目のお店でのやり取りを踏まえた上で、この後を一緒に過ごすことの承認を得る。食いつきがない場合、この時点で「明日早い。」、「どこへ行くの?」といった反応が出ることが多い。

 

 

今回はこの時点で食いつき充分と判断。歩いている時の距離感も近い。

 

 

(よし。このまま搬送しよう。)

 

 

特に行き先を告げずにるんルームに向かっていく。

途中コンビニに寄って、アイスを買う。アイスルーティーンとパーカー理論を同時に成立させて、即への道筋を固めていく。

 

 

(さて。打診は通るかなー?)

 

 

る「ほら。着いたよー(^ ^)」

 

女「ええー(*_*)なんか豪華!!」

 

 

(これは珍しい反応。笑)

 

 

大概は戸惑う系もしくは拒否系。拒否されたとしても、慌てずに改めて打診すれば問題ない。

どうやら歩きながら、察していたようだ。その上でついてきたのだから、この時点でほぼ準即が確定する。

 

 

部屋に着くと、飲み物を出しつつ、2人でアイスを食べて、当たり前のように行為に及んだ。

 

 

 

 

 

 

即。

 

 

 

 

 

 

(アムさん。これでナイトプール案件2g目です。)

 

 

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-

 

 

僕はアポが好きだ。

クラスタでは、アポを組まない人が多いし、あまり好きでないという人も多い。

 

 

でも。僕はナンパで"理想の彼女を探すこと"を目的としているので、アポは極めて重要だ。

"即"だと興味を無くすし、本当に良い女は中々即れない。

 

 

そうでなくても、友人、家族、仕事、ライフスタイル、価値観、、、

そんな話を聞いて、少し他人の人生に想いを馳せてみる。当然だけど、そこには自分とは全く異なる世界が広がっている。

 

 

そんな時間の過ごし方も、、、

 

 

悪くないと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

夏が終わって、夜には秋の涼しさが顔を出す。

2人歩く足跡には、大きな影ができる。

 

 

合流した駅と同じ駅。

楽しそうな雰囲気は今も続いている。

 

る「次は水着で来てな!!」

 

女「バカぁ!!笑」

 

 

end

20gに必要なもの 後編

ど「やれやれ。」

 

 

 

 

 

 

る「え?」

あ「これだからスト低はwww」

D「話おもんなすぎたんやろw」

あ「行くぞ。勝負は終わってない。」

 

目の前には思いがけない光景が広がっていた。味噌の国、ストメインのオールラウンダーチーム「チャップ会」。このメンバーとは、何度も同じ時間を共有してきた。味噌に来て1年。チャップ会で過ごした時間は、他の誰と過ごすより楽しかったし、間違いなく濃密だった。

しかし、ここにいるはずはない。仕事が忙しい彼らが、平日の23時過ぎに揃うことは、これまで一度もなかった。

 

ど「ここから逆転するぞ!!」

 

 

 

 

 

 

メンバー紹介

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アナル✳︎チャップス(あ)

チャップ会の大将。Sストツートップの一人。

 

 

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どん(ど)

チャップ会の王子様。Sストツートップの一人。

 

 

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Dの意思(D)

チャップ会の特攻隊長。2017年味噌国の実質新人王。

 

 

るんるん(る)

 

 

3人に促されるように街へ向かう。

 

 

(さぁ、行こう。)

(ここからが本当の戦いだ!)

 

 

赤in!

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まずは、お酒を飲みつつ、場の雰囲気をなじませる。アポ負けで落ちたメンタルを箱の楽しいムードに合わせていく。

 

 

(よし。いけるぞ。)

 

 

そう思った時、既にこの男が動いていた。

 

 

 

 

 

 

Dの意志

 

 

味噌の人気者であり、新しいスター候補。たまに嫉妬するくらい輪の中心にいる男だ。

イッポングランプリでコンビ即を決めたし、第1回ASD(アナソウルダービー)の優勝も彼と分かち合った。

 

 

でも、彼はこの春、引退を決めた。

そこには色々な思いがあるだろうし、やむ終えない事情もあるはずだ。

 

この時、

 

 

(こいつとコンビを組める機会はあとどれくらいあるのかな?)

 

 

そんなことを考えていた。

 

D「怖い話しようぜ?」

 

当たり前のようにオープンした。

 

 

(癖強いやつきたよ。笑)

(相変わらずおもろい展開をつくりやがる。)

 

 

2:2で赤2階後方のテーブルに向かう。シュール過ぎる怖い話を聞きながら、その場の雰囲気を楽しんだ。

1杯お酒を飲み終えて、放流。食いつきを上げることができなかった。入りが良かっただけに、悔しさが残る。

 

 

再び3階に上がって、どん兄、アナチャさんと合流し、少し話をする。DJブースに向かいつつサージングをすると、2人組の女の子が通りかかる。

 

 

目があった気がしたので、すかさず声かけ。

 

る「あれ?前髪切った?」

 

すぐにどん君がフォローに入る。どうやら、既に声をかけた2人組のようだ。

 

 

ズカズカ進む相方子&どん君と、ビタ止めされる担当子(以下「ビタ子」という。)。自動的に箱内セパの完成だ。

 

る「とりあえず飲もっか(^ ^)」

 

2階のバーカンで飲み物を買う。

話を聞くと、二人は友人だが、それぞれ別グループで来ており、たまたま箱で会ったようだ。

 

 

(これはチャンスや。明らかにセパりやすい。)

 

 

グラスを傾けつつ、和む。

 

ビ「なんか落ち着いてるね。」

 

ビタ子は不思議がった。このセリフを箱で言われると「つまらない。」と言われているような気がして不安になる。

けど、そうではないらしい。同年代の箱にいる男と比べて、落ち着いて見えたという。

 

る「違うよ?落ち込んでるんだ。笑」

 

本当だけど嘘。そんな発言をしてみる。

 

ビ「なんで?何かあったの?」

 

る「目標に届かないかもしれないんだ。」

 

ビ「お仕事?」

 

る「まぁ、そんなとこ。笑」

 

適当にはぐらかしつつ、話を聞く。

味噌出身の学生。箱はたまに来る、洋楽好きの女の子。

 

 

ある程度和んだところで、箱の終了30分前になる。一旦、3人と合流するため、番ゲして放流する。

 

 

(食いつきはどうだろう?)

(悪くはないけど、、、、)

 

 

3人と合流する。

あなちゃさん、どん君はそろそろ時間のようだ。

 

あ「るんるん。ほんと期待してる。」

ど「頑張れよ。」

 

ありがとう。去り際の2人の姿がカッコ良くて、思わず見とれてしまった。

 

 

Sスト勢はここ1年で急速に盛り上がり始めたが、それは2人のおかげだろう。周囲を巻き込んでイベントをやったり、積極的に新人と合流する。地道だし、時間がかかるし、何より身バレを気にすれば簡単にできることじゃない。

そんなSストの兄貴分二人からの言葉は、心強かった。

 

 

2人を見送った直後、顔が刺さって、番ゲ。(以下「刺子」という。)都合が良いことに、赤終了後所用があるが、その後朝まで遊ぶらしい。

 

刺「後で飲もう٩(๑❛ᴗ❛๑)۶」

 

この時点で今夜の動きが確定する。

①1人目のブーメランを狙いつつ、赤GT

②2人目のブーメランを狙いつつ、青

明日は仕事だけど、この際関係ない。朝まで戦ってやる。

 

 

 

 

 

 

数分後

予想以上に上手く事が進んだ。ビタ子のブーメランが、決まったのだ。

 

D「お前ならいけるよ。」

D「俺はその辺で待機しとくから、厳しそうならすぐに言ってくれ。」

 

Dの意志が女の子の元へ向かう僕を送り出す。自分は即る気なんて全くないくせに快く助けに来てくれた。

 

 

(絶対に勝ってくるよ。)

 

 

コンビニ前でビタ子と合流する。雨が強いことを口実に、コーヒールーティーンで鷲inへ。特段グダもなく、綺麗な流れだ。

 

 

ビタ子は箱内よりよく話した。自分のこと、家族のこと、元彼のこと。思い出すように話す彼女は、なんとなく楽しそうに見えた。

 

 

コーヒーを飲み終えて、数分しただろうか。一気にギアを上げる。

本日、2度目の俳優ルーティーン。

 

 

(言葉に魂を込めろ!!)

 

 

ビ「でもぉ。」

 

る「でも何?笑」

 

ビ「恥ずかしい。」

 

 

 

 

 

 

その後、彼女はしばらくグダったけれども、30分後には服を脱いでいた。

 

 

即。

 

 

すぐさまチャップ会のLINEグループを見ると、3人とも起きて、結果を待ってくれていた。ありがとう。本当にありがとう。

 

 

ついに、、、、、、大台の20gを達成した。

 

 

 

 

 

 

20gに必要なもの。

それは、ナンパの技術やマインドではない。ましてや、スト値や身長ではけっしてない。

 

 

20gに必要なもの。

それは、いつも支えてくれる仲間達だった。

 

 

黒子さん6

アナチャさん4

小五郎2

どん君2

御堂筋くぅん1

コーラsさん1

中年さん1

翼くん1

とくい君&WAL君1

 

 

みんな本当に感謝しています。完ソロは金沢の1即だけです。

 

 

 

 

 

 

ビタ子を送った後、一人で部屋に戻る。相変わらずの雨で、お気に入りのスーツが濡れていく。

 

 

それでも、心は晴れやかだ。

 

る「あぁ、素敵な夜だったな。」

 

 

end

20gに必要なもの 前編

この日、るんるんは美容院にいた。

 

 

何のためって、もちろん髪を切るためだし、特段、いつもと異なるオーダーはしていない。いつも以上に切る量が多いということを除いては。

 

 

月末のこの日まで髪を切らなかったことには理由がある。まずはスト値が下がること、そして、今月の好調を、勢いを維持したいがための願掛けだ。なんとなく、切らない方が良い気がして、ずるずると2ヶ月近く間が空いてしまった。

 

 

でも、そんな神頼みをしてしまう弱い自分に嫌気がさして、20gがかかるこの日、あえて髪を切った。

 

 

(多少のスト値の変動や勢いなんて関係ない。PUAですから。)

 

 

そんなことを考えながら、待ち合わせ場所に向かう。

 

 

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今日の相手は、

スト5/青/24/アパレル/Bくらい

ちっちゃくて可愛い感じの女の子。

仕事が遅くなるようで、アポの時間も遅めにした。

 

る「あれー?身長縮んだ?笑」

チ「違います!!笑」 

 

いつも通り、テンション高めの待ち合わせ。Mっぽい子だったので、ネグも入れてみた。

今夜のお店は月中無敗。立地も味も良いお気に入りのお店だ。

 

る「これが美味しいんだよね。」

 

可愛らしい彼女に対して、お兄さんになったつもりで接する。

 

 

スタートは順調。テンション高め、6:4のトーク配分で場を温めつつ、開示を入れていく。無駄な嘘はいらない。

 

 

一杯目のお酒がなくなる頃、トーク配分を3:7に変えて、相手の話に耳を傾ける。

経歴に不自然な部分があって、少し深掘りしてみる。

 

 

彼女は見かけの雰囲気とは違って、きっちりと自分の人生を歩んでいた。

昔、大きな挫折を経験し、何度も諦めそうになった。それでも、環境を変え、努力を重ね、再び自分の夢を叶えようとしている。そんな芯の通った女性だった。

 

 

ナンパをしていると、時に自分の思いとは異なることを言わなくてはならない時がある。人として好きだと思えない相手に、真逆の言葉を吐いたり、目を輝かせて興味のない話を聞く。そうでなくては即れないからだ。

 

 

でも、彼女に対しては必要ない。シンプルに素敵だと思えたし、何より、少し自分と似た部分があって、話に聞き入ってしまえた。

 

 

ふと、我に返る。

時刻は22:30。和みはもう十分だろう。チビ子の終電を考えると、ちょうど良い時間だろうか。

話の区切りと同時にトイレに行き、流れを作り始める。用を済ませて鏡を見ると、そこには自信に溢れた自分がいた。

 

 

(さぁ、いこうか。今月最後の戦いだ。)

 

 

いつも通り、仲良しメンバーのグループに打診する旨を書き込んで、トイレを出た。

 

 

 

 

 

 

席に戻ると素早く会計を依頼し、暖かいお茶二つ注文する。あたかもこのまま解散するようなフリをして、今日デートの感想を述べる。

  

る「いい話聞けたよ。楽しかった!」

チ「なんかしゃべりすぎてしまいましたね。笑」

 

店を出ると、階段を降りる助けをする流れで、彼女の手を握る。緊張したフリをして、目を合わせない。

 

 

小雨が降る中、二人は無言でホテルに向かっていた。

 

チ「どこに行くんですか?」

 

少し歩いたところで、チビ子が聞く。相変わらず、目を背けたまま、話し始める。

最初にあった時に思ったことと、今日会って感じたこと、そして、「もう少し一緒にいて欲しい」と。最後のセリフの瞬間だけは、相手の目を見る。

 

 

文書にしてみると、我ながら気持ち悪い。けど、女の子から悪いリアクションが返ってきたことはない。今回もそうだ。

スルリとホテルの門を通り抜ける…

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

チ「今日は帰ります(^^)」

 

(おいおい。まじかよ。)

 

 

予想外の反応に困惑しつつも、グダ崩しにシフトする。色っぽくなるから使いたくないけど、俗に言う運命トーク。泥臭くて、かっこ悪いけど、ホテルの前で。

 

チ「別にホテルに行きたくないわけじゃないんです。」

 

彼女は堂々と言い切った。

 

 

体調グダ。理由はその一点だった。

元々良いと思っていたし、今日も楽しみにしていた。けど、前日から体調が悪くて、キャンセルしようか悩んだけど、せっかく予約してくれたし、遅い時間まで待ってくれるし、何より話してみたかった。

 

 

彼女はそう続けた。恐らく嘘はないだろう。

仕事にプライドを持っている彼女の体調グダ。崩せる気がしなかった。

 

る「わかった。」

 

努めて平静を装いつつ、彼女を見送る。

 

 

(まだ大丈夫。時間は早い。)

(ストで十分に戦える。)

 

 

自分に言い聞かせるように、次の手を考える。それしかできなかった。

 

 

チビ子を送り届けた後、すぐに街に向かう。

 

 

(なんで、こうなるんだ。)

(最後の最後に…)

 

 

一人になると、負の感情が止まらなくなる。

 

 

(いつもそうだ。勝負どころで負ける。)

(あんなグダ崩せるわけがない。いや。そもそも崩しちゃダメなグダじゃねえか。)

 

 

気がつくと、毎日のように通っているSチカにも関わらず、自分がどこにいるかわからなくなっていた。

 

 

(あぁ。みんな応援してくれたのに。)

(わけがわからない。)

(なんで調子こいて髪きったかなぁ…)

 

 

なんとか外に出る。

するとそこには、雨風に晒され、完全に死んだSの街が広がっていた。

 

 

ど平日の23時。荒天。そしてなにより、崩れたマインドが、ゲームの終わりを告げていた。

 

 

(ダメだ。)

(ここからの逆転は、、、ない。)

 

 

思わず、その場にしゃがみ込むと、タバコに火をつける。

ただ、ただ、人のいない街をぼんやりと眺めていた。

 

 

(帰ろう。)

(明日も仕事だ。)

 

 

月20g。

それは凡庸な自分にとって、決して手が届かないレベルのはずだった。それでも仲間達の助けや奇跡的な巡り合わせもあって、なんとか手が届きそうなところまできた。

結果的には届かなくても、大きな目標に向けて全力を尽くしたこの1ヶ月は無駄にはならないだろう。

 

 

(いつか、、、いつか必ず達成してやる。)

(今年、もう一度チャレンジしよ、、、、、、)

 

 

 

 

??「やれやれ。」

 

 

る「え?」

 

 

??「これだからスト低はwww」

 

 

??「話おもんなすぎたんやろw」

 

 

??「行くぞ。勝負は終わってない。」

 

 

 

 

、、、後編に続く